冬のあいだ、子供たちは電気毛布を使っている。「熱くしすぎないようにしなさい」と注意はしているのだが、そこは子供、目先の欲には弱い。こっそり温度メモリをいじって最大にしては、寝ている途中で暑くなって毛布を蹴飛ばす、というお約束をやらかしてくれるので、夜中の見回りが必須である。
今夜も、みごとに布団を蹴飛ばしているあきぞうに毛布を掛けなおしてあげていたら、何の夢を見ていたのか、顔をしかめながらこう言われた。「やめてよ、やめてよ、だるまちゃん〜〜
・・・だるまちゃん? 『だるまちゃんとてんぐちゃん』の? じゃあお前はてんぐちゃんか? さぞ愉快な夢を見ていたようだが、翌朝あきぞうに聞いてみても、全く覚えていなかった。何なのだろう。