2週連続の大雪。ここは雪国だったかしら?という位の積雪に雨まで混じって路上は氷水で冠水中、電車は止まるわバスも止まるわ、最悪の状況の中で、それでもつねぞうはこう言った。「今日、寄席に行く約束だったよね!?」
・・・確かに。以前もらった池袋演芸場の招待券、使うとしたら今日しかないんである。だけど、この状況で行くのか!? 
大人しく家で寝ていたい私だったが、とうとう折れて出発することに。シャーベット状の氷雪を踏み分けながら、よろよろと池袋演芸場に辿りついてみると、何と客は我々を入れて5人(!)という大惨事。以前ここに来た時は、柳家喬太郎師匠が主任の回で大入満員だったので落差が酷い。「うわぁ〜空いてる!」と嬉しそうに最前列ど真ん中に居座るつねぞう。いや、もはや空いてるとかいう問題じゃないよコレ。噺家さんも「貸切状態、ですね・・・皆様」と、さすがに微妙な空気。そんな中始まった〈昼の部〉は以下の通り。

●前座 桂たか治(「子ほめ」)
●落語 三笑亭朝夢(「芋俵」)
●漫才 宮田陽・昇
●落語 三笑亭世楽(「親子酒」)
●落語 三笑亭夢花(「権助提灯」)
●江戸売り声 宮田章司
●落語 古今亭寿輔(「猫と金魚」)
●落語 三遊亭遊雀(「転失気」)
●漫才 東京太・ゆめ子
●落語 春風亭小柳枝(「時そば」)
●落語 三遊亭遊吉(「人形買い」) 【代演】
●曲独楽 やなぎ南玉
●落語 三笑亭夢丸(「小桜」)

多少の増減はあるものの、客席がツ離れしない(10人以上にならない)という実にアットホームな状態。だって首都圏の交通網、大混乱だもの。そんな中で平均年齢を思い切り引き下げている最前列のつねぞう、やはり目立つ。出てくる演者さんもいちいち声をかけてくれたり、子供向けの小話を演じてくれたり。つねぞうはとっても喜んでいたのだが、此方としては却って他のお客さんに気兼ねしてしまった。こんな悪天候の中わざわざ寄席に来るような人は、さぞ耳の肥えたプロパーばかりだろう、もっと通好みのネタを聞きたいだろうに、時そばだの禁酒話だのお子様向けの演目ばかりで、「ちっガキは来んな」と思われてたりしないかなぁと・・・(勘ぐりすぎ?)。
昼の部終了で16時半。もう帰ろうか、と水を向けてみたが、夜の部まで聞いていきたいらしい。元気だなつねぞう・・・。飲み物を買い込んで、後半に備える。

〈夜の部〉
●前座 (お名前失念・・・)「初天神
●落語 桂翔丸(「弥次郎」)
●太神楽 鏡味正二郎
●落語 桂米福(「天狗裁き」)
●落語 桂歌若(「つる」)
●歌謡漫談 東京ボーイズ
●落語 桂南なん(「道具屋」)
●落語 三遊亭遊三(「崇徳院」)
●コント チャーリーカンパニー
●落語 柳家蝠丸(「眼鏡屋泥棒」)
●落語 三笑亭夢太朗(「長屋の花見」)
●曲芸 ボンボンブラザーズ
●落語 桂歌春(「二番煎じ」)

終了時点で20時半。8時間も聞いたのか落語。椅子に座り続けで、あちこちの関節が痛い。つねぞうは、曲芸のジャグリングにも客席参加で混ぜてもらい(ほぼ突っ立ってただけだが)、DVDで見た噺家さんの高座を間近でたっぷり見られて、大満足した様子。サゲが地口落ちとなるネタは、やはりというか判りにくいようだったが(大人だって知識が無いと??になるし)、「それで面白い?」と聞くと、「何となくはわかるし、周りの雰囲気を見ているだけでも面白い」との答え。成るほど、子供には子供の楽しみ方があるもんだ。
ともあれ、8時間ぶっ続け寄席は母にはキツかった。向こう数ヶ月は、もう行かなくていいんじゃなかろうか。そしてついにこの日、客席の人数が楽屋裏の人数を上回ることはなかった(と思われる)池袋演芸場。大雪の中楽しませてくださった演者さん達、ありがとうございました。