犬も歩けば

先日電池交換に出していた時計を引き取りに行く。さて帰ろうとすると、お店のおばさんが「待って待って。お嬢ちゃん、これ着られない?」と、何やら包みを持ってきてくれた。見ると、温かそうな手編みのセーターとズボンが入っている。
おばさんのお友達が、お孫さんのために編んだ物なのだが、その人の手がのんびりだったのかお孫さんの成長が急ピッチだったのか、編み上がる頃には小さすぎて着られなくなってしまったらしい。「ほどくしかないかな〜」と言うお友達に、「そんな勿体ない。お店のお客さんの中に、使う人がいないか探してみるよ」とおばさんが提案して、赤ちゃん連れのお客に網を張っていたところだったのだそうだ。つねぞうにぴったりサイズで、私ではとても編めなさそうな可愛い作品である。「本当にいただいちゃっていいんですか?」「どうぞどうぞ、着てもらえると嬉しいわ」というわけで、上下ともそのまま頂いてきてしまった。「棚からボタモチ」というか、「犬も歩けば棒に当たる」というべきか。いやいや、いつもニコニコしてるつねぞうの行いのおかげだろうから、「笑う門には福来たる」だな。そんなことを、帰る道すがら考えてしまった親バカひとりです。