ツツジに雑感

バタバタしているうちにも時間は過ぎて、気がつけば4月最後の日。月初めに咲き誇っていた桜も、すっかり藤やツツジにとって代わられている。木の緑も鮮やかだ。
幼い頃の習慣というのはこわいもので、この年になっても、山ツツジが咲き始めると「お大師巡りの季節だな」と思ってしまう。小さい頃、お接待のお餅やお菓子でいっぱいになった袋を抱えて、お堂を巡ったことを思い出した。尤も、本場の八十八カ所ではなくて、島八十八カ所ですが・・・。
高校は、島から船を使って通学していたので、白装束のお遍路さんとも良く出会った。船の中でカンロ飴やジュースをもらい、どこから来たかとか、今回は通し打ち(一度に八十八カ所を回ること)するつもりだとか、そんなお話を伺うことも多かった。名前も知らない、多分もう二度と会うこともない、その場限りの笑顔と親切に満ちた空間は、とても快くて、肩の力もふっと抜ける気がした。あれに似た感覚をどこかで、と思ったら、北海道のユースホステルだ。みんな無力、だから助け合う。そんな当たり前のつながりを、シンプルに体感できた空間だったように思う。
つねぞうは、熱はようやく下がってきたが、まだ本調子でないらしく、布団でモゾモゾ転がっている。いつかつねぞうと、お遍路さんに行くのも良いかもね。